栄養療法

栄養学から見るお口の病気へのアプローチ

栄養学から見るお口の病気へのアプローチ

口腔内の病気には、舌痛症やドライマウス、多発性口内炎などがあります。
原因はさまざまに考えられますが、栄養療法によって改善できる場合があります。
たとえば舌痛症は舌の側面がひりひりと痛む病気ですが、ある方は糖分摂取が過多となっており、 →体内で糖分を分解するためにインスリンを大量に消費する
→インスリンを体内で作るために亜鉛を使う
→体内で亜鉛が不足することで舌痛症が起こる
というサイクルになっていました。
さらに亜鉛不足が舌痛症だけでなく、口臭や味覚異常をも引き起こしており、すべてがつながっていることをご理解いただきました。原因がわかることで、正確な対処が可能となります。
ほかにも、鉄分不足は「歯茎の出血」「知覚過敏」の原因になりますし、タンパク質不足は「ドライマウス」、ビタミンB不足は「口内炎」になるといわれます。
当院では栄養素の補給で体内代謝を整える栄養療法を取り入れ、口腔疾患の治療法のひとつとして実践しています。

分子整合栄養医学による栄養療法

分子整合栄養医学による栄養療法(オーソモレキュラー療法)とは、生体を構成する細胞を分子レベルでとらえ、必要な栄養素を補給し、分子を適切な濃度に保つことで、人間の約60兆個の細胞の生合成や代謝を整えてさまざまな疾患を改善させる治療方法です。
「オーソ」はギリシャ語で「整える」という意味で、「モレキュラー」とは「分子」という意味です。つまりオーソモレキュラー療法とは、「分子を適切に保つ」ための治療であるといえます。

タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の不足による栄養バランスの乱れは、日常のさまざまな症状として発現することが多くあります。
血液検査データから不足している栄養素を探り出し、充分量の栄養素の摂取(サプリメントの提供)や食事療法、生活習慣の改善などにより自然治癒力を高めることで、症状の改善、さらには病気の進行抑制や予防につながります。
尼崎・武庫之荘の当院では、オーソモレキュラー療法を行っております。

栄養療法で改善する一例

鉄(Fe)不足

  • 知覚過敏の症状がある・歯茎から血が出る
  • 顎の関節に痛み・違和感がある
  • 食べ物が上手く飲み込めないことがある

タンパク質(Protein)欠乏

  • 口臭がある
  • 舌の粘膜が荒れている・食事の際に舌がしみることがある
  • 味覚異常

ビタミンB(VB)欠乏

  • 口内炎がよくできる・口角炎がよくできる
  • 舌に溝がある

ほか、こんな疾患に栄養療法がおすすめです

  • 虫歯になりやすい・歯周病になりやすい・口内炎ができやすい
  • 粘膜疾患がある
  • 抜歯などの手術後の経過がよくない・歯科治療後の経過がよくない
  • 味覚障害
  • ドライマウス(口腔内乾燥症)・唾液の質が低下している
  • 炎症が起きやすい・口腔周囲の肌荒れが気になる

栄養療法の内容

サプリメント

サプリメント

血液検査データから必要な栄養素と量を解析し、毎日の食事内容や生活習慣の指導なども行いながら、サプリメントによる栄養素の補給で病態を根本から改善していきます。

血糖調節

糖負荷検査や血液検査データに基づき、病態を評価します。その後、毎日の食事内容や生活習慣の指導、サプリメントの提供などにより改善させていきます。

高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度のビタミンCを静脈から投与します。食品による摂取と違い、高濃度ビタミンC点滴療法では、血中濃度を高めることで、歯周病などの病気に対する治療効果が得られるとされています。
また、経口摂取と比べて高い効果を即効性が期待できます。粘膜疾患、慢性炎症などが対象となります。

栄養療法の流れ

  • 問診票記入

    1問診票記入

    ご来院いただきましたら、現在の症状やお悩みなどを確認するために、問診票をご記入ください。

  • カウンセリング

    2カウンセリング

    問診票をもとにカウンセリングを行い、より詳しく症状やお悩みなどを確認します。

  • 血液検査・尿検査

    3血液検査・尿検査

    お体の状態を把握するために、血液検査・尿検査を行います。

  • 診断

    4診断

    検査データや問診票をもとに、栄養解析レポートを作成します。あわせて、現在の患者様の体の状態や、必要な栄養素についてご説明します。

  • 5栄養療法開始

    診断結果をもとに、患者様にあったサプリメントの提供や、毎日の食事内容や生活習慣の指導などを行います。

  • 6症状の変化の確認・再検査

    症状の変化を確認し、3~6カ月後に再検査を行い、栄養状態を確認します。

栄養療法は3カ月以上の継続が大切です

栄養療法によって体本来の機能を取り戻すには、3カ月以上治療を継続することが大切です。
患者様によっても異なりますが、3カ月ほど継続すれば、体調や血液検査データの改善など、一定の効果をご実感いただけるようになります。サプリメントの摂取などによって補給した栄養素が代謝に回るまでには時間がかかりますので、焦らず治療を継続していただければと思います。

食事とサプリメントによる改善

食事とサプリメントによる改善

栄養療法では、サプリメントの提供で必要な栄養素を補給したり、毎日の食事内容や生活習慣を指導したりすることで、症状を根本から改善します。
ただし、あくまで治療の中心は食事や生活習慣の改善にあり、サプリメントの摂取は補助とお考えください。
たとえば一人暮らしをされているご高齢の方の中には、うどんなどの麺類やご飯と少しのおかずなど、炭水化物中心の食生活を送られている方もいます。
こうした内容のお食事ですと、栄養素が不足して口内炎ができやすくなったり、なかなか歯周病が治らなかったりすることがあります。
しかし、ご高齢の方が種類豊富な食事を摂るのは難しい場合がありますので、そうしたときにはサプリメントで必要な栄養素を補っていただいています。
この例に限らず、現代人の食事は炭水化物が中心で、タンパク質不足とされますので、肉類、魚介類、豆類、イモ類などのタンパク質を多く含む食材を中心に、バランスのよい食事を心がけましょう。
ご希望の方は、尼崎・武庫之荘の当院までご相談ください。

栄養療法の費用

ご予約・
お問合せはお気軽に

  • 06-6437-2846

尼崎の歯医者で口腔外科をお探しなら、
杉本歯科クリニックまでお越しください。

ページトップ